プロの道具箱 VOL.110
浦川理容

浦川理容
オーナー  浦川 政裕  (URAKAWA MASAHIRO)

創業77年 長崎県東彼杵にある 電車の見える床屋さんの3代目
地域の高齢者に寄り添った新しいサロンを提供する浦川氏、今回はそんな浦川氏の道具箱とお客様に愛されるサロン作りについてお聞きしました。

TOOL BOX TOUR

「喜び、癒し、そしてカッコ良さを提供する」
それが、私が理容店で大切にしていることです。
お店の「もの」1つ1つを選ぶ時に、喜んでくれるお客様のことを想像して選びます。
カッコよくなってほしい!!そのかっこいいを創ることに必要なアイテム。少しずつ増やしていくうちに自然と道具は増えていきました。

SCISSORS

使用用途で、細かく使い分けしています。後、手に取った時に開閉がしやすいものを選びます。
梳き鋏は、質感に物凄く影響するので各メーカーの特長を意識して選んでいます。
刈り上げを多くするので手に優しいものを。長くメンテナンスをしてもらえるメーカーから購入することも心掛けてています。
師匠に「お客様に使うものはいいものを使いなさい。」ということを教わりました。お客様が笑顔になることを想像して道具も選びます。

ナルトシザー
シザーズジャパン
トギノン
タカラホットライン
島理研

CLIPPERS

クリッパーは、刈り上げ、フェードが多いのでしっかり髪の毛が入ってくるものを、そして細く調整がきくものを選びます。
Panasonicは手にフィットするところがいいです。
WAHLのは、見た目もカッコよく、フェードを作る仕事にはBestな道具だと思います。

COMBS

櫛は、信山コームと鼈甲のコームをメインにつかっています。
髪の毛をしっかりひろうことができるもの。手に握った時のフィット感はいいもの選びますかね。
メインで使っているものは理容師になった時からずっと使っています。

信山、天洋など

RAZOR

フェザー、ビーグラット

シェービングカップはTONO

ACCESSORIES

クロスはオリジナルデザインのものなど使っています。

AMENITY

サロンワークに欠かせない、化粧品、整髪料を選ぶときに気をつけていることは五感に働きかけるものを、シャンプーやトリートメントは、目を閉じていても、何か話のきっかけになるようなものにしています。また、ヘアースタイルの悩みを解決に導くものは極力導入しようと思っています。
お客様の生活が少しでも良くなることを想像して選んでいますよ。

整髪料はprisoner/doors/groomingなど

シャンプー、トリートメントはdoors/クラシエBASARA/資生堂grooming/サンコールミントベル

シェービングソープは資生堂grooming/クラシエBASARA/プロシェーブ

FACILITY

店舗自体にも仕掛けを作り、楽しんでもらい、そして、ゆったりとした床屋時間になるように工夫をしています。高齢者向けに対策をした施術スペース、椅子、洗面も高齢者使用になっています。
出張理容に行った時に、お客様に言われた「やっぱりお店で散髪したい」その言葉が胸に刺さりました。高齢になりずっと通っていた理容店に通えなくなる事を少しでも減らしたいと思っています。最後まで通える理容店が理想です。

父との夢を叶えながら、お客様に窓の景色を見て楽しんでもらえるようにと工夫を凝らしています。川が見え、電車が走る姿を見ることができます。子供達の喜ぶ姿も見ることができます。
窓を開けてしっかりとした椅子に座るとゆっくりできること間違いなしです。

 

INTERVIEW

―浦川理容は、白い壁でモダンとクラシックの要素をバランス良くミックスした店作りですね。最近流行りのオードスクールタイプとは一線を画すと思いますが、店創りのアイデア、お考えを教えていただけますか。

浦川理容のカラーは白ではなく薄い水色になります。
開業当時に使われていたカラーの残りから色を合わせ建物のカラーにしました。デザインの良いところもピックアップして取り込んでもらいました。

入り口の帽子型のbarberサインも昔の店舗写真から復刻しました。長崎の文化が西洋と和の要素をバランス良く取り入れている建物が多くそこを意識しました。
文字も昔店舗で使われていた物から野良文字として復活させたのですよ!

―地域の高齢者に対してすごく寄り添っていますが、高齢者に対する接し方で気を付けている事はありますか。またお客さまの年齢層は高齢者が多いのですか。

高齢のお客様とは、親身になって話をします。買い物など困りごとがあれば次の来店までに買ってきてあげたりもします。ですから、結構近いか関係性になっています。
野菜などのお土産ももらったりします。常に近い距離にいることを意識していますね。

祖父や父の時代からのお客様が多いので、比較的高齢のお客様は多いと思います。地方特有の高齢化も理由になるかと思われます。

―理容業だけではないサポート体制は素晴らしですね。普段の店舗経営で気を付けている事はありますか?

地域の人達と一緒になり町を盛り上げ、少しでも活性化できればと思っています。地域の発展とお店の発展はリンクしていると思います。
お客様が一生懸命やられていることは応援しますね、頑張っている方の情報を床屋から発信し、それが自分のPRにも繋がります。人と繋がる事が店舗経営で大切な事だと考えます。

―浦川さんは今のお店の前はどちらにいらしたのですか。

私は長崎の理容室で働いていました。父の病気のこともあったので23歳の時に実家に戻りました。

―浦川さんの今後の目標を教えてください。

町の床屋さんとして出来ることを。先代からお世話になっている方にしっかり恩返しをしながら、新しいことにもチャレンジしたいと思います。

―今回インタビューさせて頂き、理容業とは人との繋がり、そして地域と寄り添う事が大事なのだなと改めて思い知る事ができ、何か心が洗わられる様な気分になりました。
最後になりますが、浦川さんから読者へのメッセージをお願いします。

困り事に寄り添いながら、沢山の笑顔を作れる理容店にできるように努力したいと思っています。
そして、沢山のカッコいいも生み出し、床屋の枠にはまらないような時代にあった営業ができる店を作りたいと最近は思っています。

追伸、
理容店の中に、リラクゼーションスペースのある珍しい理容店なんですよ。

 

INFORMATION

浦川理容
住所:〒859-3808 長崎県東彼杵郡東彼杵町蔵本郷1846-4
営業時間:8時30分~19時00分
定休日:月曜日 第一日曜日
電話:0957-46-0160

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