プロの道具箱 連載100回記念スペシャル 第2弾
GINZA MATSUNAGA

プロの道具箱 連載100回記念スペシャル 第2弾
GINZA MATSUNAGA  代表取締役社長  松永 巳喜男 (MATSUNAGA MIKIO)

皆様のおかげをもって「プロの道具箱」は連載100回目を迎えました。これまで多くの方のご協力とご登場をいただき、編集部一同、感謝しております。
つきましては、連載100回を記念し今週から数回にわたり特別記念企画を配信して参ります。 尚、この特別記念企画は通常の「プロの道具箱」と並行しての配信になります。ぜひともお見逃しのないようにお願いいたします。

プロの道具箱 連載100回記念スペシャル第二弾のゲストは GINZA MATSUNAGA 代表取締役社長 松永巳喜男さんです。
創業50年、東京銀座という一等地でお客様に感動を与え続け、多くの熱狂的なファンを育てあげる。そしてベトナムでも銀座マツナガを展開されている松永巳喜男さん。関東圏エリアで23店舗を展開し、多くのメディアでも取材され、銀座マツナガの名前は一般の方にも多く知られるお店となりました、今回はそういった記事で紹介されなかった業界の裏話もお話しいて頂きました。
それでは、松永巳喜男さんの道具箱をSNAPSHOT !!

TOOL BOX TOUR

理容の道具=ハサミ
軽くて良く切れる、安定感があり、肉厚である程度の刃線長さが必要です。

長年続いているメーカーが安心ですね。
にわかに出てくるメーカーについては猜疑心を持っていますね。見た目のデザインだけで買ってしまうと直ぐに切れなくなったり、鋼があまかったりすると滑ってしまいますね。

SCISSORS

私は新潟県の出身なので新潟県三条のハサミをずっと長年愛用しています。三条は昔から大工道具を作る鍛冶屋さんが多く、伝統的で優れたものが多いですね。

新潟三条のコスモ・スミスを使用しています。使い易くて一番長切れします。

左から)コスモ・スミス 7.25インチで大きく軽い力でスパっと切れます。/7インチ/マツナガのロゴが入ったゴールドのコスモ・スミス/35目 隙ばさみ、これは門下生のヒロ銀座からのプレゼントです。/35目 隙ばさみ

コスモ・スミス WEBページ https://www.cosmo-smith.co.jp/

RAZOR

カットレザー替刃式

一枚刃のレザーを使用すると、肌触りなど違った面白さもありますが、今はほとんど使用しませんね。一枚刃のレザーは10年位使用できます。いまだにこれで剃ってほしいと言うお客様もいらっしゃいます。
細い方(右)がカット用です。50年位前にフランス式のカット技法のスカルプチャカット(彫刻的という意味、クシとレザーを使いながら交互にカットをする技法)が流行った時によく使用しました。毛先が筆の穂先の様になり非常にまとまりが良くなるんですよ。

革砥(カワド)ハサミを研ぎです。砥石ほど固くないので非常に扱いやすいです。

COMB&BRUSH


右から2番目のコームは日本製のハンドメイドですごく毛の通りが良いのですよ。毛量が多くても、ウェブ毛でも引っかからず、また刈り上げの際も全体を作りやすいです。これも門下生のヒロ銀座からいただいたものです。

私たち理容師はコームに対しても最もこだわるものですね。
最近の流行でバリカンを使う事が多くなってきていますが、今まではハサミとコームでカットすることが非常に喜ばれたていました、それだから我々の世代はハサミが得意な人が多いですね。バリカンも性能が良くなっていきていますね。
門下生のバルバトウキョウの渡部君の仕事はとても繊細です。0.1mmから使って剃ったような面、あの様なスタイルは芸術的なものですね。私は自分の仕事が芸術とはおこがましくて言えませんが、理容には職人が作る商業芸術というか、そういう喜びがありますね。

セットの目的は2つ、膨らますか寝かす、もう一つは流れを作ることですね。

TONGS


右から二つ)八角形と六角形のアイロンで私が考案して頼んだ物ですよ。太さも8mmと6mm両方作りました。新潟県の三条で小さい工場で作成しました。

私が若い頃、働いていたお店のオーナーがアイロンが得意でその方に教わったおかげで、いまでもアイロン技術は誰にも負けないと言う気持ちがありますね。(笑)

 

INTERVIEW

ー多くの男性客に指示されているGINNZA MATSUNAGAですが、どのようなお考えでお店を作られたのですか?またスタッフ教育についてはどの様にお考えですか?

私の口癖は「微差が大差を生む」です。ほんの小さな努力の積み重ねが、やがては他を圧倒する絶対的な差となると言う事で、お客様にとって大差となり、作品の仕上がりが大差となるので微差(完璧)を追求しましょうというのが私の教えです。

技術的なアドバイスはコームの持ち方から事細かに徹底的に教えますよ。そして、仕事の仕上がりや工程などを見なさいと言っています。なぜかと言うと、感覚(美的)と手技(触感)を養ってもらいたいからで、感覚の技法は同じことをやっても微妙に違う、そして出来上がりにおいても微妙に違う。そして触感はシャンプーやシェービングやタオルで顔を拭く事や乳液をつける事を実際に見て、モデルになって体感してもらいます。そしてどうしたらお客様が気持ちいいかを理解してもらいます。その様な事も私自身自ら、スタッフに教えていますよ。

一方で従業員の給料が一番のポイントになりますね。給与を惜しげもなく出せるシステムをつくらなければいけません。そのためには私達は出店場所を選びました。それは一週間の7日間全部にお客様が来てくれる場所、それが銀座でした。
銀座に51年前に店を出してから、弟子たちには銀座は良い場所だから隣に店を出しても良いから頑張りなさいと言いってきました。そして今では銀座マツナガの支店、弟子たちの店を含め、この狭い銀座に10店舗を超えるようになりました。

ー毎年多くのスタッフを雇入れる秘訣は?

従業員は働いているお店が良ければ、仲間や後輩に声をかけてくれるのですね。リクルートには私は行きません、入社して2~3年目のスタッフと責任あるスタッフに行かせます。若いスタッフの現場の話は年齢が近い学生に響きますね。
理容学校も生徒が少ない時代なので今は15校位求人を出しています。もちろん空振りもありますよ。(笑)
中途入社も歓迎していますね、実際働いてみて違ったという子達も面倒をみますね。


―今後の理容業界のこれからについてお聞かせください。

機械化やIT化が進み人間同士、心が通う場面が少なくなってきていますね。唯一我々の業界は消えてなくなる仕事ではないと考えています。但し人手不足が問題です。人手不足の深刻化の今、これからは外国人の雇用がカギとなって来るのではないか、そうしなければ人手倒産をしていまうのでないかと考えます。

外国の方が日本で理容師になる為のハードルが非常に高いですね。その為には外国の方が働ける様に法律を変えなければならないですね。今の時代にあうように免許取得時間を短くするなどして、外国の方を受け入れ、人手不足を埋めていかないといけませんね。そうしないと間に合わなくなってしまいますよ。

私もベトナムに出店して5年経ちますが、ベトナムは賃金が安いんですね。大卒でも一か月3万8000円位です。日本に子供を留学させて学費を送るなんて事は出来ないんですよ、それでみんなアルバイトして頑張っていますね。今後理容業界はいろいろ緩和しなければならいと考えます。外国からいろいろな仕事を求めて日本にやってきているのに今の日本の法律のせいで何もできないのが残念ですね。

―ベトナムに出店されていますが外国での運営は?

私達も昔は欧米から学びましたが、これからは後進国に恩返しをするべきだと考えて出店をしました。日本からスタッフ二人位行って、現地の人に教えています。向こうは免許制度がないから何も問題ないですね。

ベトナムに関して言えばですがみなさん本当に例外なく早く仕事を覚えますね、器用だし頭も良いですね、上手におだてながら励ましながらやっていけば喜んでついてきてくれますね。そして将来の夢を持たせて、将来あなたたちも店を持って豊かになれるところを示せば良いんです。
夢を抱かせる、夢を持たせれば皆頑張りますよ。日本人も同じですよ。

―それでは最後に、松永さんの今後のプランは?

なんでこの仕事を続けられるかと言うと、この仕事が楽しいからなんですね。絵描きが絵を描いているときが楽しいと同じ感覚かな。そして「今日も小さな感動をして帰っていただければ」お客様が今日は良かったなと、言う喜びがあるからです。それがあればお客様は必ずまた来てれます。

多くの大先輩が、この仕事は肉体的に白内障になってはダメだと言っておられました、ですが私は良い眼鏡があり手が震える事がないので大丈夫ですね(笑)
あと、健康を考えてジョギングをしています。10kmマラソンに出たんですよ。

 

B/B POP-UP SEMINAR 2020/01/20 (mon) 開催

創業50年を超えて、東京銀座でお客様に感動を与え続ける銀座マツナガ。銀座という一等地で数多くの熱狂的なファンを生み出し、ずっと、さらにずっと通っていただくための秘訣や、顧客満足度やサロン価値を高める努力、そしてバルバトウキョウやヒロ銀座などの優秀な門下生を輩出した銀座マツナガの人材育成の考え方を皆様とシェア致します。

+Workshop 松永氏による 匠の技~基本から学ぶアイロン技術
アイロンワークに定評のある銀座マツナガのアイロン技術をレクチャーして頂きます。

(講師) 松永巳喜男氏  銀座マツナガ 代表取締役社長
料金 3,000円(税込)

どなたでもご参加いただけます。詳しくはこちら

INFORMATION

GINZA MATSNAGA銀座本店

住所:東京都中央区銀座2-6-5 藤屋ビルB1F
電話:03-3567-6870
営業時間:月~金 10:00~20:30土・日・祝 10:00~18:30

定休日:なし

GINZA MATSUNAGA 銀座一丁目店
東京都中央区銀座1-14-14 中公ビル1F
TEL:03-6228-6157

GINZA MATSUNAGA DE CLASSE
東京都中央区銀座7-4-5
銀座745ビル 4階
TEL:03-6280-6411

GINZA MATSUNAGA 東京駅店
東京都中央区八重洲2-1 八重洲地下街中1号 B2ブロック2号
TEL:03-3548-0030

GINZA MATSUNAGA 京橋エドグラン店
東京都中央区京橋2-2-1 京橋エドグラン1F
TEL:03-3273-0555

GINZA MATSUNAGA 八重洲店
東京都中央区八重洲1-5-8 mBR15 1F
TEL:03-3271-8861

GINZA MATSUNAGA 日本橋店
東京都中央区日本橋3-3-5 NS日本橋ビル 1F
TEL:03-6910-3213

GINZA MATSUNAGA 有楽町店
東京都中央区銀座西一丁目二番地先 インズ3 一階
TEL:03-3567-3887

メンズヘアーミキ(新橋)
東京都港区新橋3-13-5
TEL:03-3436-5667

GINZA MATSUNAGA 新橋店
東京都港区新橋3-5-1 サンパウロビル
TEL:03-3519-4733

GINZA MATSUNAGA 築地店
東京都中央区築地2-2-8
藤村ビル1F
TEL:03-5565-0790

GINZA MATSUNAGA 淡路町店
東京都千代田区神田淡路町1-3-1 トーハン淡路町ビル2F
TEL:03-3252-6477

GINZA MATSUNAGA 神田店
東京都千代田区鍛治町2丁目1番1号 ズイホウビル2F
TEL:03-3527-1224

GINZA MATSUNAGA 箱崎店
東京都中央区日本橋蛎殻町2-1-1 ロイヤルパークホテルB2F
TEL:03-3666-5028

GINZA MATSUNAGA 新宿パークタワー店
東京都新宿区 西新宿3-7-1 新宿パークタワーB1F
TEL:03-5322-6411

GINZA MATSUNAGA 新宿野村ビル店
東京都新宿区西新宿1-26-2 新宿野村ビル5F
TEL:03-6279-4163

GINZA MATSUNAGA 浅草店
東京都台東区西浅草3-17-1 浅草ビューホテル2F
TEL:03-3842-0666

GINZA MATSUNAGA 成田店
千葉県成田市不動ケ岡2034‐87
TEL:0476-22-8588

GINZA MATSUNAGA ボンベルタ店
千葉県成田市赤坂2‐1‐10 ボンベルタ成田4F
TEL:0476-29-6151

GINZA MATSUNAGA タイバンルン1号店
8A/11D1 Thai Van Lung, District1, HCMC
TEL:028-3824-7054

GINZA MATSUNAGA タイバンルン2号店
Address 8A/2B1 Thai Van Lung, District1, HCMC
TEL:028-3824-5580

GINZA MATSUNAGA インターコンチネンタル店
Ground Floor, InterContinental Asiana Saigon Residences, Corner Nguyen Du Street & Le Van Huu Street, District 1, HCMC
TEL:028-3827-9799

GINZA MATSUNAGA フランクフルト
Grose Bockenheimer Str.21 60313 Frankfurt/Main
TEL:069-296712

GINZA MATSUNAGA ハンブルグ
Stadthausbrucke 5 20355 Hamburg
TEL:040-37519759

GINZA MATSUNAGA DE CLASSE

GINZA MATSUNAGA 京橋エドグラン店

GINZA MATSUNAGA 日本橋店