バーバー界のニュージェネレーション 木村成世/KIMURA NARUSE
A STAE IS BORN プロの道具箱 VOL.150

床屋にもう
木村 成世/KIMURA NARUSE

床屋にもうの木村成世さんが悲願の2022 TRADITONAL BARBER BATTLEで優勝、今後の動向が注目される若きバーバーの木村さんの優勝インタビューです。後半は2022年8月に掲載の木村さんのプロの道具箱の再掲載記事です。

トラディショナルバーバーバトルでの優勝おめでとうございます。今の心境を聞かせてください。

関西予選で共に戦った方々の代表として、関西から初優勝ができたことはとても嬉しく思います。本戦で名前が呼ばれた時は涙が浮かぶほど嬉しかったです。そして、本当に大切なのはこれからだと思います。今は次の目標向かって邁進しています。

地方予選で敗者復活戦で勝ち上がり本選で優勝、優勝までの道筋と敗者復活戦後は何を修正されましたか?

予選バトルでは持参モデルでのカットだった為、モデルさんとも打ち合わせをしパフォーマンスに力を入れました。2023年のパリコレからヒントを得て、イメージを膨らませました。30分間でヘアカットと衣装チェンジまで力も入れましたが、肝心なヘアカットが間に合わず不本意な結果でした。敗因は準備期間が短く内容を詰め込み過ぎました。これは自分の反省点でした。決勝ではヘアカットに集中しながらも、オーディエンスを巻き込んだパフォーマンスができ会場の雰囲気を掴めたのが感じました。

次、機会があれば100点のパフォーマンスがしてみたいですね。

連覇を期待します。優勝するにあたってしてきた事、意識した事はありますか?

床屋にもうでは鏡がありません。僕らは常に鏡が無いところでやっている分、バトルやセミナーでもいつも通りのパフォーマンスができました。

ドリンクにもこだわっており一杯ずつクラフトでお作りし、お客様にサービスしています。サロンでは靴を脱いで上がってもらいます。お客様が不快に感じないよう待合もカットスペースも常に綺麗にしています。普段のサロンワークから全てのお客様に対して決して手を抜かずやっています。当然のことですが技術、接客、美観を細かいところまで意識しております。毎日のサロンワークに優勝する為のヒントがあったと思います。

本選の雰囲気はどんな感じでしたか?

会場入りすると参加者の気迫を肌で感じました。そのおかげもあり、自分自身いい緊張感でステージに立つことができました。音楽や運営の方々のディレクションもありパフォーマンスは楽しんですることができました。終わってからは選手同士全てを出し切った後なのでみんなとも会話が弾み良い時間になったと思います。

実際優勝して変化した事はありますか?

変わらずに目の前のお客様に喜んで頂けるよう技術、接客の向上を心がけています。

僕自身変わったことはありませんが、一つ責任ができたと思います。
優勝した者として見られる立場として、年内に設定した個人目標を達成し、皆様にお披露目できる機会を作っていこうと思いますので、その時は是非参加して下さいね。
宜しくお願い致します!
今後バトルに出場される方へのアドバイスをお願い出来ますか

バーバーに興味を持ち、バーバーバトルを知りました。憧れであった諸先輩方が築いてきた舞台に立てたこと、そこで優勝できたことがとても誇りです。実際出てみてレベルの高さを感じましたし、とても刺激を受けました。バーバーカルチャーは脈々と受け継がれていると思いました。

今回のバトルではカットはもちろんパフォーマンスも意識しました。どちらも普段のサロンワークから良い形で表現できたと思っています。鏡がない場でヘアカットをする。道具の使い方や所作。ドリンクへのこだわり。店内の美観。など日々の全て、細部の仕事がバトル優勝に繋がったと思います。

そして今回、僕は日本一になりたくて出場しました。強く気持ちを持つことも大切です。

ありがとうございました。優勝するには技術だけではなく、生活や仕事上の行動、考え方に多くの特徴があるようです。仕事での経験を生かし、的確な判断ができる事が優勝する人の共通点ではないか。優勝者は優勝するまでに数々の失敗を繰り返し、それでも挑戦し続けます。

※以下、木村さんの出演のプロの道具箱VOL150、2022年8月再掲載

Made in Japan プロの道具箱VOL.150 木村成世/KIMURA NARUSW

近年のSNSの発達により、世の中はこれまでにないスピードで変化を続けている。スピードの上昇に合わせて“流行りの寿命”も短縮されていく中で、新しいアイデアを生み出していくことはサロンにとって必須になると考えられる。

常に新しい事を求められる理美容業界では「自分の経験の機会を作り出す」という考えが重要になり、その経験が新しい営業につながる近道ではないだろうか。

今回は自分の経験を元にユニークなアイデアを実現させていくバーバー。街の未来は日本の床屋が作る「MADE IN JAPAN 」理美容業界の新基準を創る。”床屋にもう”の木村成世氏の道具箱とバーバーライフを紹介します。




TOOL BOX TOUR

僕が道具を選ぶポイントは、使用感が良いもの、見た目、統一感などです。様々なお客様のヘアスタイルにお応え出来るよう、用途に合わせた道具選びをしています。

SCISSORS

JOEWELL
(左から)
FCX2-660ZAK 刈り上げシザー、JGT-X13G 80%セニング床屋にもう仕様、
CXG-20/20 20%セニング

他にもありますがメインで使っている3本です。
手に馴染みやすく、こちらを使用するようになりカットのクオリティーとスピードが上がりました。

CLIPPER

(左から)
WHAL100周年クリッパー、WHALディテーラー、BaByliss シェーバー

パワー、切れ味、使いやすさはもちろん、シルバーで合わせています。

SHAVING

貝印キャプテンホルダー エクセリア
スキンケアにesop
シェービング前にはハンドケアとしてBYREDOのハンドクリームを使用しています。

AMENITY

整髪料は1-1、にもうオリジナルスタイリング剤を使用しています。
1-1 SHIRO 柔らかいクリームタイプ
1-1 AKA 硬めのグリース
1-1 AO 硬めのワックス

SHIRO、AKA、AO全て混ぜ合わせて使えます。
硬さがそれぞれ違うのでヘアスタイルに合わせたオリジナルブレンドができます。
その為男性も女性も使用しやすいスタイリング剤になります。


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FACILITY

床屋にもうでは靴を脱いで上がって頂きます。
お客様も僕らも専用の履き物をご用意しています。
僕らは普段から雪駄を履いています。

施術椅子の正面には鏡を設けていません。
開放的な空間が広がっています。

ドリンクサービスも充実しています。
コーヒー、抹茶ラテ、カフェラテetc。全てクラフトでやっています。

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INTERVIEW

施術椅子の正面には鏡を設けない新鮮な体験

ショップ名 “床屋にもう”の名前の由来のショップコンセプトを教えていただけますか。

サロンワークを基軸にそれ以外のクリエイティブ、ボランティア活動をしていました。それを人が「二毛作」みたいとだね、言ったことから「にもう」というグループ名にしました。
その言葉に愛着があり、自分達を体現している言葉とだと感じ、今回「床屋にもう」という名前にしました。

ーなぜ神戸三宮に店舗オープンしたのですか?

神戸三宮で誰もが分かる場所にしたいと思い、ご来店の際道に迷わないように三宮で誰もがわかる場所にしました。
三宮の生田神社のすぐ下で、元々待ち合わせ場所にも良く使われていた、東急ハンズ(今は無くなりましたが)横のビルになります。

南向き、解放感、四季や風情を感じてもらえれば良いと思い、そういう物件を探していました。

ー施術椅子の正面には鏡を設けていませんが、お客さまはいつ自分のスタイルをチェックするのですか?また、どうしてその様にしたのですか?お客さまの反応は?

カウンセリングは全身が写る鏡を設けています。
そこでカウンセリングしお客様とスタイリストの完成イメージを合わせます。
カウンセリングが終了すると、鏡がない開放的な施術椅子に座ってもらいます。
お客様が切られながら「今どうなっているんだろう」「さっきカウンセリングで言っていた気になる部分を切ってくれているな」など自分の変わった姿をイメージされています。

僕らスタイリストは鏡が正面ではなくなったことで、より広い視野でお客様を見るようになりました。
と言うのも元々イベントや大会、ボランティア活動などしていて鏡がない場所でのヘアカットをすることがありました。その時に僕らもお客様も新しい体験ができ、鏡がないことでいつも以上のパフォーマンスが出来ました。
そんな経験から新しい挑戦をする。新しい、新鮮な体験をしてもらいたいと言うことで鏡を無くしました。

お店がオープンして9月で一年が過ぎますが、お客様の反応はとても良く、鏡を無くすというこの挑戦をして良かったと思っております。

ー木村さんにとって店舗運営で大切な事は?

1.仕事に決して手を抜かない。
2.感謝の気持ちを忘れない。
3.笑顔の場をつくる。

ーお客様のターゲット層は?集客はどうしていますか?

ターゲット層は特に決めていません。
だれもが来やすいお店作りを目指しています。

各スタイリストがそれぞれの色を持ち、様々な活動やコミュニティを通してご紹介を頂いてます。

同世代や僕らより若い世代の理美容師、どんどん前に出られるようにー

ー木村さんの5年後の目標は

僕ら床屋にもうは
・サロン事業部
・アカデミー事業部
・商品開発事業部
この3軸でやっています。

・サロン事業部
東京1店舗、大阪1店舗出店予定。

・アカデミー事業部
アカデミー受講者100名
アカデミー講師10名

・商品開発事業部
18種類の商品を開発。
今年はスタイリング剤【1-1】が完成しました。

ー今後理容業界でやりたいことは

「理美容業界の新基準を創る」。これを言い続けています。
仕事に対して決して手を抜かず、感謝の気持ちを忘れない、僕たちもお客様も全ての人が笑顔になるようにやっていきます。

ー木村さんから見た現在のバーバー(理容業界)はどう思いますか?また、こうなったら良いなみたいな事は?

バーバーやフェードなど、一般の方でも口にする程に定着してきています。これはバーバーの第一世代、業界の先輩方の皆様のお陰だと思っています。
これからは僕は次の世代がまた新たに何かアクションを起こさないといけないと思いますし、日々諸先輩方の背中を追いかけて何か僕も業界に残したいと思っています。
同世代や僕らより若い世代の理美容師、どんどん前に出られるようになっていきたいですね!

ー仕事以外は何をしていますか?今、興味あることってなに?今気になる事は?

最近は子供も産まれ、楽しく子育て出来ています!
子供と一緒にできる趣味が出来たら良いなと思ってます!
これは先日お宮参りに行った際の写真です!

ー最後に今回のお話しで、改めて強調したいことは?

「かっこいい」は常に変化をしていくものだと思います。視野を広げ時代の流れを見て柔軟に対応し、追求していかなければなりません。
新しいことに挑戦するのはとても勇気がいりますが、お客様の笑顔のために床屋にもうは、様々な挑戦をし続けていきますので、今後の僕らの活動を是非チェックして下さい。




INFORMATION

床屋にもう
住所: 兵庫県神戸市中央区下山手通1-1-2 みそのビル 6F
電話:078-392-5550
営業時間:平日/8:00-21:00 土日祝/8:00-20:00
定休日:年中無休

instagram naruse_kimura


生田神社の神職さんに書いて頂いたショップロゴ

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