プロの道具箱 VOL.134
カッコいいという言葉にもはや聞き飽きたオレ 福田晃平 FUKUDA KOHEI

EastSide BARBER SHOP
代表取締役  福田 晃平

”乃木坂とか知らないけど、たぶん全員抱いたぜ!”
バーバー界の堕天使、仙台のEastSide BARBER SHOP代表、福田晃平さんです。

TOOL BOX TOUR

「刃物は切れ味の良いものを選び、最低限ワゴンにおく」

SCISSORS

シザーは、ミズタニシザーズと、すごく

両サイドがミズタニ。
真ん中の2本は、24歳の時にスタリストになって、目標売り上げ達成したご褒美にローンで買った2本。漢字の刻印に惚れ込んで買いました(笑)

道具には自分が慣れて行くまで使い込むタイプなのですが、この4本はすぐ馴染んだのでヘビーに使ってます。
ハサミとクリッパーはお客様に見られやすい道具なので、なるべく見た目やデザインにも拘りたいとは思ってますが、基本はギラギラしたのは好きではないんです(笑)

CLIPPER

クリッパーはWAHL一択です。
なんか、フェード作るにはWAHLが一番しっくりきますし、体が慣れてるからですね(笑)特に種類には拘りないです、全部使いやすいんで。

今はWHALがメインですがWAHLの歴史を知る事で、さらに興味が湧いて収集してしまいますね。

COMB

カットコームはこの4本が鉄則。

コームはハサミより重要だと思ってるので、コームに関してはガッチリ選びましたが、結局王道で落ち着きました(笑)
色は赤がメイン。意味はありません。クリッパーコームはカットラインが見づらいので白にしてます。

これは23歳時、スタイリストデビューした時に、当時働かせて頂いた床屋の社長から頂いたもの。
なんだかんだで一番使ってます。
先が丸くなってるので、コーミングしやすくて、頭皮にホクロや出来物がある人でも引っ掛からず痛くないのでたぶん一生使うと思います。

RAZOR

剃刀は、まさかの専門学校から使ってるものを今でも使ってます!
馴染みすぎてもはや6本目の指です。

ACCESSORIES

カットクロスは中村商店か、ロイヤルナイトから何種類か購入して、季節や、店舗毎に変えて使用してます。
あえてショップネームやロゴは入れずそのまま使っています。逆に既存の格好良さを崩してしまいそうなので(笑)

FACILITY

EastSide BARBER SHOPは全国的にも珍しい、同じビルの1Fに本店と2号店が並んでいます。
雰囲気はまるで違い、本店はオールドスクール感、2号店はニュースクール感で、どちらも海外lookな空間となってます。

両店舗とも友人にフリーハンドで描いてもらったガラスサイン

両店舗共にカウンターは完全オーダーメイド。特に、2号店のレンガを使用したバーカウンターは存在感が抜群です。
すごく高かったですが(笑)

仙台を拠点に、全国各地からオーダーがあるアーティストに描いてもらったアート作品。

小物系は大体がアンティークもの。頂き物がほとんどですね!

大事な道具を置くテーブル&ワゴン。
どうしてもコーヒーテーブルに道具を置きたくて、探しまくってようやく見つけた一品。よく物が落ちるんでオススメしませんが、気に入ってます(笑)
黒のワゴンは理美容専用ではありませんが、ネットで3台買いました。
実物が大きすぎて他の2台は隣の2号店で使ってます。ちょっと大きすぎました、ネットでの買い物は大きさを気を付けましょう(笑)

本店には、ステットソンのハットを含め、帽子やハットが沢山飾ってます。
僕の私物ではありますが、帽子を被った時の帽子から出る髪や、帽子を取った時の髪の再現性、帽子を取り入れたファッションも意識して楽しんで頂きたいという思いもあります。
ヘアスタイルは、ファッションの一部ですし、必ず毎日セットしなきゃならないものでもないですから、色んな形で僕らの提供するスタイルを楽しんで欲しいです。

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INTERVIEW

その空間をいかに演出するかは働く人次第ー

ーEastSide BARBER SHOPのコンセプトは、本店はオールドスクール感、2号店はニュースクール感ですが、店舗デザインイメージはどう考え、造作したのですか?

店舗デザインイメージは全て自分の頭の中で想像したものを伝えて形にしてもらいました。
内装業者や塗装、看板等は全て友人やお世話になってる先輩にやって頂きました。言いたい事は全て細かくウザいくらいにお伝えしたので、妥協なく形にする事が出来ました(笑)
ただ、1店舗目に関しては予算を低めに設定してたので、オープンしてから少しづつ変えて行きました。
どんな店でも日が経つにつれて、少しづつ味が出て来るって言いますから、うちもそんな感じです。あとはそこで働く人で全てが決まると思ってます。カッコいい内装は金かければ誰でも作れますが、結局はその空間をいかに演出するかは働く人次第だと思います。

1号店の本店は完全男性専用で、僕と若いスタイリスト、アシスタントの3名。僕は30歳オーバーの会社員や経営者や社長クラスを担当させて頂いてます。
学生や若い世代のメンズ客は若いスタイリストに任せてます。
隣の2号店は、副代表のショーゴに任せて、他に男性スタイリスト、女性スタイリストが在籍。
こちらは型にハマらずといった感じで、要望があれば女性のお客様も施術させて頂いています。

ー2店舗目をオープンしようと考えた切っ掛けは??

当初から2店舗は持ちたいと思ってはいました。ザックリですが(笑)
切っ掛けは、最初に入社してきたショーゴ(現在の副代表)が売り上げを予想以上に上げてくれたからです。
もともと、2店舗目は本店の近くに出したくて物件を探そうと思ったら、たまたまそのタイミングで隣のテナントが空いたんで即契約しました(笑)

ー2店舗目をオープンして1年4か月経ちますが、今思う事は?

隣に出してよかったなぁって(笑)
今のエリアで本店だけでは、お客様を取り逃していたのは目に見えてたので、逆に離れた場所に出す選択肢はなかったです。
そして、仙台は駅を挟んで西口、東口に分かれていて、西口は既に栄えてて盛り上がってるのは分かってます。その西口で勝負をする意味合いに疑問がありましたし、ごちゃごちゃしてる西口で話題にできる想像がつかなかったですね(笑)てか、する意味もないのかな?って(笑)
逆に東口はまだまだ発展途上だし、西口程ではないですが飲食店も増えて来てます。
うちの店をキッカケに東口をさらに盛り上げて、人を東口に流したいって思ってます。
なにより、東口の雰囲気が大好きですし。

ー場所は逆張りなんですね。スタッフのリクルートはどうしていますか?

うちは求人は出してないので、うちのスタイルに興味があって近寄って来た人と何回か話をしてって感じです。
今いるcrewは誰一人として僕に履歴書は提出してないですね(笑)
自然と集まった、どこか同じ匂いがする仲間って感じでしょうか?
仲間にするかしないかは僕の直感や、副代表のショーゴやcrewに相談したりもします!
技術よりも、共に稼ぐ仲間同士の関係性の方が遥かに大事ですからね、この仕事は。
ただ、最近は会社として『教育』に力を入れたいですし、避けては通れない事なので新卒や高卒の採用も始めました。

ー地域の人気店になる秘訣は?

うちが地域の人気店になれてるか分かりませんが、強いて言うなら『変化』と『継続』かなと。あと、これはお店の経営理念の一つでもある、『凡事徹底』この3つは時代関係なしに地域の方々に喜んで頂けるのかなぁって勝手に思い込んでます(笑)

SNSを期待値、リアルを満足度として、期待値を超える満足度を提供するー

ーSNSは何を利用していますか?

Facebook、ホットペッパービューティー、instagramです。

どんだけカッコいい動画や画像をUPしても、次の日には遥か下へと埋もれて忘れられ、また誰かがカッコいいのをUPして…の、繰り返しなのがSNS。

SNS上でしか知らない人は、SNSの印象だけでどんな人か決めつけられますよね。でも実際会ってみると印象とはまるで違うもんです。

SNS等で見つけてもらい、実際に来てくれて、バーバーチェアに座り鏡越しに1時間から長ければ3時間弱のFace to Face

ネットで見た印象と違うやんけ!って、思う人もいるでしょう。そりゃそうです。ネットですから。
どんな印象を持って来てくれてるかは人それぞれだとは思いますが、僕らは作業、声、雰囲気、真顔、笑顔、目くそ鼻くそ…等々。全て見て感じて判断される仕事です。
何が言いたいかと言うと、現場に立つ以上、結局は僕らの仕事は世にも珍しい『リアル』なんです。
SNS>リアル=×、SNS<リアル=〇
ネットとリアルの共存🫁、SNSを期待値、リアルを満足度として、期待値を超える満足度を提供して行かなければならないと思います。すんません、偉そうにm(__)m

ー福田さんの今後理容業界でやりたいこと

理容業界に興味を持つ若者を増やしたいと思ってます。ただ、業界の底上げって考えると、僕らにはまだその力はないのでまずは地域で考えてます。
業界の底上げは力のある方々に任せて(笑)僕らローカルはローカルのやり方でローカルの為に。
そして、さらにはその前にまずは共に働いてくれる仲間の未来を守る事が僕の最大の仕事かと。
終身雇用までもいかなくても、ずっと働ける環境を作る事。
歳を重ね、現場に立たなくても稼げる役員的立場を作る事。
若いBARBERが活躍できる土台を作る事…等々
イベントも若い連中が率先してやるべきだと思いますし、僕ら中堅の経営者はその後押しできればと。
その為に意識してるのは、自分が目立ち過ぎないようにする事です。
せっかく俺よりイケてる仲間達がいるのに経営者が目立つと彼らにチャンスが無くなっちゃうと思うので。
業種問わず僕が尊敬する経営者の方々はみんな裏で従業員の為に動いてるので。

あくまで僕の考えです(笑)

ーでは5年後の目標

すいません、実は3年後とか5年後とかの目標を持てなくて(涙)正直、店舗展開にもあまり興味がなく(笑)
ただ、会社としての目標、テーマは『雇用創出』と『教育』そして『働きたくなる環境作り』
なので、共に働いてくれる仲間が増えて必要ならば店舗を増やすってスタンスです。
5年後には店舗が増えてればいいのですが(涙)

ー仕事以外は何をしていますか?今、興味あることってなに?

仕事以外では、セミナー講師を同業の仲間とやらせてもらったり、専門学校の外部講師と、その専門学校の理容科の生徒を増やす為の企画をさせて頂いてます。

趣味は今はサーフィンだけですね。最近はバイクを復活させたいなぁって。
一番キツイ仕事は、父親ですね(笑)

興味がある事は、飲食業と空間演出です。ただ、ビビりなんでやるなら超慎重な計画と、理容業で超余裕出来てからですね!!

ー最後に今回のお話しで、改めて強調したいことは?

開業してまだ6年目ですが、各県にあるスタイルもってるBARBERさんが発信しまくって盛り上げてくれてるからこそ、我々中堅のBARBERが経営出来てるのは確かです。なので本当にその方々にはリスペクトしてます。ここ仙台にも昔から店を構えてバーバーカルチャーを発信してるお店も沢山あります。そこには追い付く事は不可能ですが、僕らは僕らのやり方で新しい物を常に発信し続けていければと思いますし、いい意味でお互いに刺激し合えればさらに業界は盛り上がると思います。

個人的には、先程も言いましたが、業界の底上げよりもまずは自店の環境の質をもっと上げて行かなければと思います。
給料、ボーナス、休暇、等々。
この業界は今はまだ一般企業と比べるレベルには達して無いのが事実ですし、比べる必要もない気もします。比べたらこの業界を選んでないと思いますし(笑)

福利厚生に関しては店によって違うので業界云々よりもまずは自店で実施していけばいいかなぁって。

僕自身、まだまだ経営者として未熟ですが共に働いてくれる仲間が増えて来てくれてるので、彼らが気持ちよく働いて、ブランディングを自らしたくなるような会社を作り、crewもゲストもEast Side BARBER SHOPという空間を通じて、少しでも幸せになれる環境を楽しみながら作り続けたいと思います。

西洋の言技で、『1日だけ幸せになりたいなら床屋へ行きなさい』って言葉があったような気がしますが、1日だけでも人を幸せにできる仕事って、普通はなかなかないですからね。

床屋はいい仕事です。

 

INFORMATION

EastSide BARBER SHOP original&second
住所:〒983-0852 宮城県仙台市宮城野区榴岡1丁目6-21 IMビル
電話:022-353-9577
営業時間:平日11:00~21:00 土日/祝日10:00~19:00
定休日:月曜・第3火曜

instagram  https://www.instagram.com/east_side_bbs/ 
WEBSITE http://www.cs-barber.com/
FACEBOOK https://www.facebook.com/kouhei.fukuda.56027


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