コロナに負けない「理容業界サバイバル」#2

未曽有の感染規模で拡大を続ける新型コロナウイルスに対して、理容業はどうやって生き残れば良いのか。日に日に状況が変化していく中、先が見せなく不安になられている方も多いと思われます。コロナ時代はどう考え、行動して行けば良いのだろうか、そしてアフターコロナではどのように変化するのか等、注目のバーバーの考えをみなさんとシェアいたします。コロナに負けない「理容業界サバイバル」Part.2

LHSG
Q1、現在の営業体系は?(変化なし、時短、定休日増、休業いつからいつまで等)

Q2、コロナ時代を乗り越えて行くために、いま理容業にどのようなことができると考えられますか?

Q3、アフターコロナで雇用や給料、働き方は変化すると思われますか?

BarBer Apach CEO 川上昌博氏(北海道旭川)

川上正博さん
1、「現在の営業体制からお話しします。予約は以前の半分に調整し、待合での椅子を減らし間隔を取っています。バーバーチェアも使うのは半分にして間隔を開けて密を少しでも減らし営業しています。」

2、「お客様の来店で手の消毒はもちろんエタノール付きの雑巾で靴裏も消毒してから入店して頂きます。
スタッフはマスクはもちろん1人終わる度に手洗い換気は確実に行います。それに加え、準備に入る前に前流しでシャンプーをして、顔も洗い80度以上で蒸されたスチールタオルで顔を拭いていただき、頭全体を洗ってから施術に入ります。
この一連の流れを、今はどの様にスマートにしていくか試行錯誤しています。

これからは理容師法にプラスされた、現代の公衆衛生に努めていかなければならいと思います。
理容文化が発展してきた頃は、不衛生な環境と闘って来た経緯があるので、今後は理容本来衛生の形に戻るかもしれませんね。
理容店=クレゾール石鹸液の匂いの様に

理容店来店=清潔になるイメージを与える事が定着すると、これからのバーバースタイルがより良い方向になると信じて進みます。」

3、「アフターコロナでは、理容店は得意な衛生部分を認てもらえるように努め、多くの人に求められる様になれば雇用は増え、そのクオリティに対価は付いてくる、それを信じて行動するのみです。

この感染は第二波、第三波と何度も続くと思うので、この徹底した消毒スタイルを楽しむくらいに、思考を変えていける努力をした方が良いでしょう。ですが、必ず面倒な事に批判する人が増える、今度はその風評と闘う事になるでしょう。

-追伸-

アパッシュでは現在、新規のお客様はは受け付けせず、顧客管理ができているお客様のみの営業スタイルです。
お客様のお仕事等、万が一あっても全てを把握しての対応を考えてます。こちらも徹底する為には、お客様にも徹底していただき、信頼の元に営業していきます。

POSからお客様へ送られてるメールです。

いつもアパッシュをご利用いただき、誠にありがとうございます。新型コロナウィルスの猛威が北海道が再度影響を与えております。
私たちは、何かできること、そしてお客様とスタッフの健康と安全がとても大切だと考え、アパッシュでも出来る限りの対策を行なっております。

・《体調不良(発熱、咳、味覚嗅覚の異変)、その他の体調の異変を感じる方》
・《2週間以内に緊急事態宣言の7都府県への出張や帰省がある方》

・《その方達との接触がある方》

これらに該当する予約の方は、まずアパッシュに遠慮なくキャンセルのご連絡ください。
2週間の様子を見たのちに受付などをしていきますので宜しくお願い致します。
皆様の健康と安全を第一に考えております。
アパッシュでも店舗分散でスペースを確保し予約調整をし時間にゆとりを持たせ空気の入れ替え、アルコール除菌、スタッフの体調管理など行なっております。
ご理解、ご協力を何卒宜しくお願いします。」

QUON HEAL/FRANK’S BARBER 代表取締役 源真氏(大阪/東京日比谷)
源真さん
1、「緊急事態宣言を受け、店舗ごとに各2週間の営業自粛を実施しました。休業前から席数の間引き、消毒の徹底、検温などできうる限りの対策をとってきましたが、休業明けからは非接触の体温計によるお客様の検温も追加対策として行います。」

2、「理容業が休業要請から外れたのは、政治的な働きかけによるものだと、国民全般に知れ渡っていると思います。今回のようにソーシャルディスタンスを保つことを求められた場合、既存の衛生対策を徹底してもゼロリスクではないことを、お客様とスタッフに正直に伝えていくべきだと思います。その中で最善を尽くしながら経済活動も両立していくということを真摯に発信していくべきだと思います。」

3、「雇用・給与の面では、より一般企業のレベルに近づけるために生産性の向上が求められていくと予想します。働き方はより多様化すると思いますが、業務委託やシェアサロンがどうとかという基準ではなく、魅力的なライフプランの共有が出来る組織が多くなると、業界も一層盛り上がると思います。」

SWELL 代表 中野邦彦氏(福岡)
中野邦彦さん
1、「10時〜18時までの短縮営業。予約枠を半分にして、椅子を一台空けて密を減らしての施術。予約がなくなり次第早くクローズすることもあります。」

2、「お客様は、まず今まで以上に衛生面に敏感になると思います。だからこそ、今一度、店内の掃除、クリンネスを見直して、器具の消毒のアピールが必要になってくると思います。

そうする事によって、私達は髪を切るだけでなく、メンズのライフスタイルを快適なものにする為に、清潔感、技術力、そしてライフタイムバリューを極限まで高める事が出来ると思います。」

3、「今後は入れてなかったシフト制を積極的に導入しようと思いました。昼に退社したり、昼から出勤など自由度を高め、それがやりがいや満足度につながれば、お客様は増えるし、給料面の心配は減るでしょう。」

First Cut 代表 佐藤友俊氏(東京上野)
佐藤友俊さん
1、「スタッフ全員にアンケートを実施し、休みたい人、働きたい人の集計をもとに時短営業(2時間短縮)と定休日(+1日)にしました。」

2、「衛生管理を徹底し、理容店からクラスター感染者を出さないこと。
弊店はカット専門店ですが、スタッフはもちろん全員、お客様にもマスク着用のままカット100%を目指しました。お客様がマスクを着用せずに来店された場合、毛が残りやすい布製マスク着用などの方には新品の使い捨てマスクをお客様に差し上げ、その場で着けていただくことで、現在ほぼ100%のお客様が最初から最後までマスク着用されている状況です。これによりスタッフも、お客様も大幅に安心感が増したと思います。ただ、マスクの調達には苦労しますね。」

3、「給与水準は、日本あるいは世界全体の影響を受けると思います。
理容業界は生活必需品なので、働き方や経済での立ち位置は変わらないと思いますので、通常時のように戻ってくるでしょう。ただ景気がだいぶ落ち込むと、理容業界でも高級路線は厳しくなりそうですね。」

人気バーバーショップ J氏(原宿)
Jさん
1、「営業の変更はなしで頑張っています。」

2、「とりあえず原宿は全然人がいないですね。今は我慢の時だと思っています。」

3、「-」

DEAR BARBER 代表取締役 川村弘樹氏(大阪)
川村弘樹さん
1、「① 現在、休業中4/10-4/23〜4/30延長
(1週間毎に延長or制限の判断)

② 今後、制限営業5/1〜決定
(メニュー・予約数・営業時間・支払方法)
1週間ごとの予約開放と、現状判断の制限緩和。
様々な営業体系を実験し、新しい働き方や営業方法を見つける。

③ 将来、通常営業 未定
(元通りにならない)
*それぞれの営業体系で対策を変える。」

2、「・短期中期長期に分けて取り組むべき政策を決定修正する
・まずは一時危機を乗り越える(生存する)
・段階的に営業体制を整える準備(テスト含む)を行う
・一度「髪を切る」ということから思考を外してみる
・ボランタリーチェーンとしてサロンを集約する
・今からでも経営力を身につける」

3、「間違いなく変わります。ある意味変化させれる口実ができたと思って、今までできなかったことを実験するくらいの気持ちで挑戦しても良いと思います。」

-追伸-

理容業のみならず、コロナ危機により強制的にかえられた人々の暮らしに対応できた企業しか残れないと思っています。一時的に生存できたとしてもビジネスとして成長するのは難しい。
働き手にしても時間が自由、歩合が高いと流行りのフリーランス美容師は、強烈に個人事業主であるリスクを知ったでしょうし、大義名分だけで実際は美容師をコマのように使い捨てる異業種の参入のビジネスの怖さも少なからず感じたのではないでしょうか?
理容室は個人事業が大半を占めます。それが悪い事ではありませんが、やはり業界としてこういった危機への経営力が他業界と比べ圧倒的に劣っているとき感じました。
それが理容師現在の社会的地位を現しているになら、業界として変わるきっかけになる良い意味でのチャンスだと思います。」

THE BARBA TOKYO オーナー TOM氏(東京神田)
TOMさん
1、「営業時間は最終受付時間を1時間30分、土様日曜日は1時間時短しています。」

2、「やはり、衛星管理をしっかり行い、お客様の為にもお店を最低限オープンする事ですね。お客様の刈り場を無くしたくは無いですね。
神田は人通りが少ないですが、お客様はすこしづつ戻ってきています。

今までもシェービング時にマスクは使っていましたが、今は朝から終わりまでマスクば着けっぱなしにしています。

椅子は一脚づつ空け、お客様が帰られたら一脚つづ除菌しています。
お客様が店内に入る際には手指の消毒をしてもらいます。もちろんスタッフにも手指の消毒は徹底しています。」

3、「正直、経済も生活も中々今まで通りには戻らないと思いますね。無神経と思われるかもしれませんが、今後はコロナとどう共存していくかを考えなくてはいけないと考えています。

コロナ終息は半年後、1年後、いつになるかわかりませんが、感染には気を付けて最低限の自粛をして、コロナと一緒に生きなければ日本経済は終わってしまいます。

経営者はスタッフを守り、お店も守る、お店を開けても自粛しても経営者次第、一番の被害者ですね。

スタッフも夜は早めに帰す事で練習時間も少なくなっていますが、今後はいままで通りに戻す事も考えています。」

Royal Knight Tokyo/rave Action and Hair! 代表 佐藤亮之介氏(東京北千住/高円寺)
佐藤亮之介さん
1、「弊社ヘアサロンは時短にて営業していますが、アイラッシュとネイルサロンは国の休業要請により4月15日より5月6日(現時点では)休業しております。」

2、「我々は、衛生管理、理容保健・美容保健を学んでいる衛生管理のプロでもあります。それはコロナ以前から消毒法に基づく衛生管理が必須であり、感染を未然に防ぐため、カミソリやはさみ等の器具は消毒を行う必要があり、理容師法及び美容師法で器具の消毒方法については、細かく定められており、他のサービス業とは一線を画すると言えます。

しかし、時代の流れと共に消毒の必要性を見失ってしまい、シザーケースにハサミを入れっぱなしになり、お客様の顔に付いた刈り毛をフェイスブラシで払ったブラシは消毒する事なく次のお客様に使用したりしていませんか?

換気して、マスクして、お客様周りの消毒だけでは完璧ではありません。私達がお客様に接触する全てを今一度見直さなければ、コロナ以降に我々の業界の未来は全く違う営業形態を取らなければならなくなるでしょう。

まずは『うちの店からクラスターを絶対に出さない』と言う思いをみんなで継続していく事が大事であり、我々理美容師がひとつになってなし得なければならないと思います。」

3、「すでに来店型の業界から出張型の働き方へのシフトを考えておられる方もいらっしゃる方も多いしと思いますが、私は店舗にお客様がご来店いだだけなくなるのは何よりもお客様がお困りになると考えます。コロナ以前と変わらぬ業界である為には、全てにおいて対応していかなくてはならなくなると思います。コロナ以前以降では働き方も、サロンの在り方も変わると思います。

『居酒屋で生ビール飲んで美味しいもの食べたいなぁ』と思う気持ちと同じくくらい『床屋で髪切って顔剃ってスッキリしたいなぁ』と思ってくれているお客様が私達を必要としています。
みんなで頑張って、この難局を乗り越えましょう!」

コロナに負けない「理容業界サバイバル」#1
LHSG
この度は、多くの方にコロナに対するアンケートにご協力いただき、ありがとうございました。
また今回、諸般の事情により掲載に至らなかった方からも、サロンの近況やコロナ対策のアドバイスをいただき感謝しております。

世界の経済や状況が今後どうなるかわからず不安になりますが、正しい知識と判断で、今出来る事と向き合って行動する事が大切だと思います。
時代の転換期なので、週単位で道徳もトレンドも変化していきます。それにいち早く対応し、生き残らなけらばなりません。
冷静に、そして賢くリスクを分った上で、通常の経済活動を行う事を目指した方が良いと考えます。