バーバー界の松雪泰子　プロの道具箱 VOL.154Join Barber Angel 古川幹子／FURUKAWA MOTOKO

こが理美容室
古川幹子／FURUKAWA MOTOKO

親が理美容師でお店を運営している場合、多くは理美容学校卒業後、都市部のサロンに就職し、数年後地元に戻り親のお店を継ぐ事が一般的とされています。
親のお店を継には、経営に関する知識・経験、斬新な発想やセンス、持続する精神力なども必要になってきます。
そしてなにより、従業員との上下関係や付き合いがない、すべて自分の裁量にゆだねられる、時間調整が可能だが思わぬところで自由を制限される、病気になった時変わりがいない、馴染のお客さんがいない、休日を決められる、子供にも引き継げるなど、様々なメリットデメリットが存在します。

引き継いだ後に、十分な収入を得る為には、メニューの改良や商品変更、ターゲットの変更などに手を加える必要があります。
「現状維持」ではなく「変化」を選び、時代に合った店づくり、事業継承を上手くやっていくのが良いと考えられます。

今回は東京立川で3年、佐賀県で1年半、そして佐賀の祖父のお店を継いで理容店を切り盛りするバーバー界の松雪泰子（佐賀県出身）、佐賀県でメンズブライダルサービスを始動させたい。「Join Barber Angel」バーバーガールにジョインしない？”こが理美容室”の古川幹子さんの道具箱とバーバーライフについてお聞きしました。

※古川さんは月間理容女子VOL.36に登場しています。

TOOL BOX TOUR

「私が道具を選ぶ時のポイントは、使い勝手や良く切れる事は勿論ですが
使っていて手に負担がかからない事ですね。」

SCISSORS

鋏は、トギノンを中心にミズタニ・レオックス・ナポレオンを用途によって使い分けています。
最近ではメンズのウルフスタイルもがふえていましたので、セニングとは少し質感の違うレザーも使うようになりました。
レザーはフェザーのものを使っています。

CLIPPER

パナソニック・アンディス・スピーディック・ウエラを愛用しています。
個人的にはパナソニックのバリカンが軽く、使い勝手がいいので好きですね笑

COMBS

左側から
・YSパーク荒刈り用コーム
・YSパークカットコーム
・角度櫛×2本
・アイロン櫛
・片細中荒櫛
・中荒櫛×3
・角度仕上げ櫛
・仕上げ櫛

上左側から
・メッシュコーム
・フェイスブラシ
・毛はライブらし

カットで使う櫛では人それぞれ髪質が違うので、その方にあった櫛を使っています。
セットでは3年前くらいに購入したメッシュコーム、束感や流れがハッキリだせるのでお気にいりです。

TONGS

・ストレートアイロン
・平型アイロン
・細丸アイロン(ミリ数の違いで何本かあります)
・六角アイロン

祖父からの譲りもの。
長年の使用で使い勝手が悪い時もありますが、愛着があるのでメンテナンスをしながら今後も大切につかっていこうとおもっています。
時々持ち手付近から火花が．．．涙笑

RAZOR

・レザー ×3
・二枚刃

左側のレザーにはストレート刃
右側2つにはガード刃を入れて使っており、肌の状態や剃る加減で使い分けています。
何年も使っているからか、私の手には馴染んでくれているので、使い勝手はいいです。あと何年かは頑張ってもらおうと思ってます笑

AMENITY

右手前から
・スタイルミーワックス／グリース
▶︎程よいツヤ感と束感を造るナチュラルなスタイルにはもってこいですね！
グリースはオイルグリースでパーマ等のスタイルでは動きがより出しやすくよく使っています！

・dAnce ワックス／ジェル
▶︎ワックスは柔らかい髪も根元からふんわりと立ち上げてくれ質感をキープしてくれ
ジェルはジェルならではのホールド力を維持しつつワックスのような自在なスタイリングが可能で使いやすいです！

・クールグリース
ツヤ感とセット力ならこれですね！
ただ匂いが苦手です…笑

・シルバーワックス
一時的なイメチェンにはいいですよ！

後ろ右側から
・ロレッタハードゼリー
髪にすぐ浸透し馴染ませやすいので早く簡単にセットが出来るのがいいですね！

・ウェーボジュカーラミルキースムース
流さないトリートメントでサラサラな髪には
もってこいですね！
マッシュ系のスタイリングでは好評です！

・ロレッタベースケアオイル
流さないトリートメントで艶髪にしたいときやダメージから髪を守りたいパーマ後とかで
使っています！

・メガフィックス
超ハードなのでメンズの髪のキープには
もってこいのハードスプレーです！
セットを崩したくない時はこれに頼りっきりです笑

詳しくは↑クリック

FACILITY

お年寄りや、車いすのお客様でも入りすいスロープの玄関アプローチ。店内は天井、床、壁とウッドの内装が特徴的で、ゆったりとした雰囲気の中で施術が出来ます。

プロの道具箱アーカイブ↑クリック

INTERVIEW

お店の情報を発信していくことと最新のスタイルや薬剤等の把握も大切ー

ー佐賀県の理容室で働いていた古川さんですが、転職された経緯を教えていただけますか。

年齢的に祖父が仕事を続けるのが難しくなった為です。
私が3代目として引き継いでいこうと思い前の職場を辞め、祖父のお店にきました。

ー祖父のお店を継いで実際大変だった事、良かった事は？

大変だったことはお客様のスタイルの把握です。
今まで務めていたお店はスタイルカルテ等があり今までどんなスタイルだったかカルテを見れば分かっていたので
すが祖父のお店には今までカルテがなかったので、前回と同じでと言われた時などは正直大変でした。

良かった所は、予約などが自分のペースでとれるため
一人一人のお客様にしっかり向き合えるようになった事です。
個人的にスタイル等の相談はしっかり聞きたいタイプなので…

ー屋根も床も木でナチュラルな感じの店内ですが、今後改装するイメージはありましすか？

初めは看板だけ文字が消えてきていた為変える予定でしたが、祖父から「今後頑張っていけるよう、看板だけでなく外壁も綺麗にしんしゃい！」と言われたのでお言葉に甘えて看板と外壁工事をしました！
店内は今後頑張って改装出来たらなと思いますが、木の雰囲気はすきなので改装したとしても店内のイメージはあまり変えたくないですね。

ー佐賀県の理容の現状は？

理容師さんの高齢化でお店を閉めてしまうところが多く、今まで以上に理容室と美容室の差が広がっていってるように感じます。
そして、理容師を目指している学生さんは、佐賀では理容室が少ない為県外に行き
若い理容師さんがいなくなり寂しいです。

ーそんな佐賀県での集客方法、ターゲット層は？

集客方法は、主に広告やチラシ、SNSでの集客です。
最近では口コミでお店の事を知ってもらって
来店されるお客様もいらっしゃるのでとても嬉しいです！

ターゲット層は特になく、幅広い年代の方に親しみやすいお店になることを目標に、落ち着ける空間作りを日々模索しております。

ー古川とって店舗運営で大切な事は？

個人経営なので自分自身のスキルアップは勿論大切だと思いますが、プラスでお店の情報を発信していくことと最新のスタイルや薬剤等の把握も大切なのかなと思っています。一人でやっていくにはSNSは大切ですね。