プロの道具箱 VOL.49
Marchant Barber/ヨシダ理容室

Marchant Barber/ヨシダ理容室
オーナー 吉田仁(YOSHIDA JIN)

時は黒船来航で幕府が揺れる江戸末期。久保田城(秋田)の御抱えの髪結いとして創業し、今日まで続く6代目。

この家紋は、髪結いの家紋だそうです。この紋付き袴を着てオカモチを持ち、城へ仕事に行っていたようです。

大正元年、店内の様子です。写真の男性は4代目。明治時代の写真は、俵屋火事(明治19年)で焼失し、残念ながら残っていません。

今回は、そんな吉田さんの道具箱をSNAPSHOT!

TOOL BOX TOUR

特別にこだわりは、ありません。手で持って、使いやすく、しっくりと馴染む物であれば何でもいいのです。

SCISSORS

秋田早苗会のマ-クが入っているものは、私の父から受け継いだものです。
ミニシザ-ス / 特別なこだわりはありませんが、刃の部分が剣方のものが僕にはしっくりきます。
セニングシザ-スは / 逆刃を使用しています。
僕の場合、ロングシザ-、ミニシザ-が一本ずつあれば仕事になります。セニングは、ほんの少しだけしか使いません。普段から少ない道具で仕事をしています。

COMB

写真上のCutコ-ムは鼈甲。赤は、普通のCutコームです。この2本だけあれば十分間に合いますね。

BLUSH

ブラシはこの2本で十分間に合います。
スケルトン 1本 / ボンバァ-ジュブラシ 1本

CLIPPER

バリカンは2mm以下になると使うぐらい。殆ど使用しません。

AMENITY

ギャツビ- ム-ビグラバーワイルドシェイク
このようなことを書いて申し訳ないのですが、業務用は敢えて使わず、お客さんにとって身近で手ごろな市販品を使っています。その方が、お客さんには受けが良いようです。

FACILITY

Milli foIdのレジスタ-(昭和 43年製・現在廃盤)
昔から店にあるもので、今でも大切に使っています。もはやヴィンテージとなってしまいましたが、レバ-を引くと「チ-ン」と音がします。これを、知っている方には懐かしく、若い方には新鮮で受けが良いようです。

待合室の小窓を開けて、料金を頂いています。ちょっとした遊び心です。

髪結いの神様の掛け軸です。鎌倉時代に祭られた神様で、明治時代の写しです。これがあるのは、我が家だけです。

この巻物の写しは、約100年前の職人達の休みについて書かれたものだそうです。徳川家康の月命日である17日を休みとする、とのこと。

店の内装は、秋田にはまだないカフェをイメージしてつくりました。夜になるとBarの様な雰囲気にもなります。「ここは何屋さん?」っていう雰囲気が好きです。

店内にあるヴィンテージ小物は、仙台で仕入れて来ます。ネットでも買える時代ですが、やはり自分の目で見て納得する物を選びたいからです。
お客さんからは「また変えた?」とよく言われます。お客さんのそういった反応を見るのが、実は好きなんです。

Cut に入る前に一番心掛けているのは、その人の内観をよく見ることです。ON/OFFはどう違うのか、自営業なのか、ビジネスマンなのか、この2つでヘアスタイルの8割りが決まります。
僕が考える「よい」ヘアスタイルの条件は、①その人に、似合うこと。②簡単にCutできること。難しい技術は使わない。③簡単にSetできること。④流行りに流されないヘアスタイルを提供すること。顔の輪郭、体型服装、その人の持ち物で判断して仕事を進めていきます。
そして、僕が一番こだわっているのは、店の雰囲気です。

 

INFORMATION

ヴィンテージ品に囲まれたカフェの様なイメージの店内。

Marchant Barber (ヨシダ理容室)

住所 : 〒010-0912 秋田県秋田市保戸野通町6-18
営業時間:9時00分~19時00分
定休日:月曜日
電話: 018-862-6394

FACEBOOK https://www.facebook.com/ヨシダ理容室-Yoshida-Marchant-Baber-372145736590905/