プロの道具箱 VOL.116髪喜理 | ライオン･ヘアサロン･グループ

髪喜理（かみきり）
店主　藤田隆之（FUJITA TAKAYUKI）

大正から昭和に建てられた蔵を令和にリユース。日本の伝統的な建築物を現代のバーバーにプロデュースする藤田氏の道具とバーバーライフをご紹介いたします。

PRO TOOL BOX TOUR

「髪喜理」は築９０年の蔵を改装した椅子１席の貸切りの床屋さんです。

SCISSORS

光
kikuboshi
Giax
アコス
MIZUTANI
秋田はさみ工房タハラさん
アルティコーポレーション(田中トシオ)
京都はさみ職人オオタさんの鋏

荒刈り・直鋏・チョップカット・ブラントカット・ボカシ用・仕上げ・用途によって使い分けます。

ナルトシザー
HAYASHI scissors
ファキモス
MIZUTANI
Giax
秋田はさみ工房タハラさんの鋏

5%以下(髪2.3本切れる)
10～15%
15～20%
25～30%
30%
40%
60%
%が分からないピンポイント用

すき鋏も、入れ方によってパサつきの原因になったり、まとまらない髪型になったりするので髪質や髪型によって使い分けることが多いです。

「スライド」
MIZUTANI
秋田はさみ工房タハラさんの鋏

大きく深く・小さく細かく・大きく浅く・などスタイルに合わせた色々な毛束を作るために、スライドの鋏も使い分けています。

「カットレザー」
フェザースタイリングレザー
TONDEO カット用レザー

フェザーはベース作りに毛先の馴染みが必要なスタイルの時に、TONDEO はスライドでは作れない細かく馴染む毛束を作る時や、毛量調整に使います。

鋏は１人のお客様に全て使うわけではないのですが、髪型を作りながら髪を触りながら切りながら、無意識に近い状態で鋏を選択していくので、ワゴンに並べ一目で分かるように目印をつけて並べています。2、3本の鋏で全ての髪型を作れればいいのですが、なんだかいつの間にか鋏の種類が増えてしまいました。

CLIPPERS

Panasonic　バリカン
Panasonic　シェーバー
WAHL MOSER
WAHL　Balding
WAHL LEGEND
WAHL HERO
WAHL スーパーテーパー#89
WAHL 　バリカンライン用２種類
FEEL TRIMMER02

バリカンもいつの間にか増えてしまいました。まだまだ欲しいものがあります。

COMB

「カットコーム」
１人のお客様に対して2、3種類使い分けます。バリカンもいいですが鋏の刈り上げの柔らかさも好きなので、コームも色々な種類を使い分けます。

「仕上げコーム」
色々な櫛目&毛束感を表現できるようにスタイルに合わせて使い分けます。あとは集めたくなっちゃう収集癖かと思います。

TONGS

田中理器
アイパー・6㎜・4㎜・

レンツ元巻き
8㎜・6㎜・4㎜
レンツ先巻き
10㎜・8㎜

アドスト
縮毛矯正用

AMENITY

開業したばかりなので、今まで使っていたものを中心に揃えてあります。欲しいものや気になるものなどたくさんあるので、これから色々情報収集しながら使いやすいものなど、少しずつ変更追加していこうと思っています。

FACILITY

外観が床屋っぽくないので内装はモダンでシンプルを心がけています。蔵の持ち主の方から頂いた色々なものをディスプレイして、外から中へ入ってきた時の雰囲気を壊さないようにしています。

理容師として、日常生活はもちろん、七五三、入学式、卒業式、受験、就職活動、成人式、結婚式など人生の色々な場面や節目で髪を切るという立場で、色々なお客様に携われる本当に特殊であり魅力的な職業だと思っています。いつも心掛けているのが、屋号にもなっている、

髪を切って
喜んでもらえる
理容師
「髪喜理～かみきり～」です。

そのために技術者として人として、もっと成長しなくてはと思っています。今回の開業にあたっては、コロナウィルスによる混乱のなか、色々な方々に助けて頂き、なんとか開業を迎えられる事が出来ました。今後は自分が色々な方々のへ手助けができればと考えています。

INTERVIEW

―髪喜理は築90年の蔵を利用してお店を作られおり、他にない店舗ですが、蔵を利用した経緯はなんですか？また古い建築物なので造作にあたっての苦労はありましたか？

20年間、実家で両親と一緒に仕事をしながら、8年位前から自分の将来の方向性を常に考え、テナント探しや物件をたくさん見てきました。昔から古い物に興味はあったんですが、偶然不動産情報サイトでこの蔵を見つけ、即「ここで店をやろう」と思いました。運命の出会いですかね（笑）

工事ですが、建物がかなり歪んでいたり、１つ１つの柱の間隔や寸法が全てバラバラなため、1ヶ所１ヶ所寸法を計って材料を切ってと、とにかく手間のかかるリフォームだと職人さんが笑いながら言ってました。
天井を上げるなど途中で工事内容を変更したりと、コロナウィルスの影響で材料が入らなかったり職人さんとのスケジュールが合わなくなったりと、予定よりオープンが２ヶ月遅れました。すでに実家から退職していたので仕事が出来ない期間ができてしまい、お客様に迷惑をかけたのはもちろんですが、仕事も何もできないというのが一番精神的にキツかったです。
そんな中、オープンまでの１ヶ月は大工工事から、駐車場整備など工事の手伝いをしました。色々な職人さんと色々な話ができたのは凄く良かったです。

―特殊な外観のお店は地域で目立つと思いますが、お店のPR方法（集客）はどうしていますか？

「髪喜理」と検索すればすぐに分かるようにInstagramとFacebookをほぼ毎日更新して情報発信をしています。あとはありがたいことにご紹介でのご来店も多いです。

―外国人受けが良いと思いますが、お客様のターゲット層は？

首都圏なら外国人の来客も見込めますが、茨城県北部ではそこはターゲットにしていません。ですがInstagramの外国からのフォロワーが増えたような気がします。
20-50歳代と幅広い年齢層に多くご来店して頂いています。