プロの道具箱 VOL.113
メンズオンリーヘアサロン創

メンズオンリーヘアサロン創
トップスタイリスト  向原 拓海  (MUKOUBARA TAKUMI)

理容師の父に勧められてこの道へ。入社後3年で最年少店長に抜擢される。趣味はフットサルそして朝はジョギングしてから出社する。仕事開始からエンジン全開のスーパーイケメンバーバー向原さん。今回はそんな爽やかな彼の道具箱とインタビューを紹介いたします。

TOOL BOX TOUR

「この仕事の醍醐味は、自分の作品が出来上がった達成感。より高い達成感を得る為には、道具やその過程でお客様に触れるものにこだわりを持つ事が必要」

SCISSORS

父が20歳の時に買ったという国王のハサミは今は廃盤の品。もう研げないほど薄くなってきましたが大事に使っています。直鋏や襟足の細かいぼかしなどに使います。

1番のお気に入りブランドはトギノン。
ハサミの中心にネジ部分がなく、真っ平らなシンプルな見た目が好きで、コレクションを始めました。定期的に出す研ぎの間に、違うハサミは使いたくないので全種類2本欲しいくらいです。
そして手入れも入念に、トギノンのハサミは全てオイルレスシートが付いているので、手入れの仕方はオイルをさす必要がないですが、週1回金属疲労をとるために100度の熱湯に入れて汚れをとります。メーカーさんに聞いて教わった方法です。

中でも1番のお気に入りはマリンシャーク。父に勧められて学生時代ローンを組み初めて自分で買った鋏です。ロングの人でもバツッと柔らかく切れる触感と、毛が逃げないグリップ感がお気に入りです。

あまり用途がないと思われがちな8と17のセニングは男性特有の毛量の差を埋めるために部分的に使用します。ベースカットで収まるならセニングはいらないと考えますが、日本人の堅くて太い髪はやっぱりセニングしないと膨らみます。だけどこの完璧にこだわったベースカットを崩したくないからセニングもベースカット同様大切に丁寧に行います。”セニングもベースカット”らしいです。(笑)

時間が許すのならば全て8パーセントのセニングで1束1束すきたいですがそれは流石に厳しいので色々な鋏を用途によって使い分けます。

次回来店時には必ず髪型をチェックします。もっとここをこうすればよかった、ああすればよかったとトライ&エラーを繰り返し、自分流が固まるまでは毎回違った変化を加えたカットを施します。

CLIPPER

クリッパーは日本ウォール100周年記念・限定モデル1919。
今まではパナソニックのバリカンを使っていましたが、ウォールの出す音が気に入って購入。短髪のカットが好きな自分にとって、自分で刃を調整でき、好みの具合にできることも好きなポイントです。本体やレバー・スイッチのクラシック感はもちろん、コードレスなのにパワーがあるところも気に入っています。どっしりとした重厚感があり手に馴染みます。

TONGS

弊社でアイロンをやっているのは国立のWEST本店だけです。社長からのお客様を歴代の本店店長が引き継いでいきますが、アイロンのお客様を増やすことにはならず、本店をはなれるとアイロンをする機会もなくなってしまいます。ですが自分は異動先でもアイロンのメニュー化を考えました。当初は「今時アイロンなんて」「お客様に提供できる技術があるの?」 など意見もありましたが、友達や先輩の頭を巻かせてもらったり、同じ理容師で今もパンチやアイパー・二グロまでやる父親に習ったりして、今ではお客様にメニューとして提供できるようにまでなりました。

ACCESSORIES

中村商店さんのカットクロスは、白とグレーのスタイリッシュな配色の清潔感がお気に入り。この時期コロナ感染予防の為、換気必須の店内はやっぱり暑いですが、薄手でさらっとしているこのクロスのおかげでお客様からも好評です。

FACILITY

 

店内の座席は全て半個室のプライベートな空間になっていて、スタイリスト各々の個性が出せる空間となっています。
最初から最後まで1人で接客させていただくので、美容室が苦手な方でも周りが気にならずにゆっくりとお寛ぎいただけると思います。元々ワイワイお話をして盛り上がる接客をするタイプではないので、じっくりお客様の髪型・髪質に向き合って接客をできるのでとても気に入っています。
お客様もカットが始まった瞬間からそっと目を瞑ってくれて、自分の技術に浸ってくれる。とても贅沢な空間だなと思います。

 

メンズオンリーサロン創はグループ内最上級(価格的に)ということもあり、スタッフは全員スーツを着用して仕事をしています。異動に合わせて
フルオーダーしたスーツは身体のバランスや身体のクセを考慮して作るので、他のオーダー方法では得られないような着心地、身体への馴染み方を感じ、使い勝手が非常に良いですね。細かい部分のデザインについてもこだわることができ、裏地にもこだわり、色は誰ともかぶらない濃いグリーンを選びました。だけどまだまだ着こなしなどは先輩に教えてもらっています。

 

INTERVIEW

―向原さんは17歳で入社後、20歳には店長に抜擢されていますが、早く昇進出来た秘訣はなんだと思いますか。

早く昇進する秘訣は、寝坊遅刻などしないこと、当たり前のことをしっかりやる、意外にこういうのが重要な気がします。あとは、後輩への指導を進んで行って来たことも良かったのかもしれません。

―普段の営業や接客などで気を付けている事はなんですか?

自分の話ばかりするのではなく、相手の話をしっかりと聞くことです。自分のお客様には、プライベートな話はもちろん髪やスタイリングの悩みなどをしっかり聞いてあげる事ですね。聞き上手は好かれますよ。

―向原さんの普段の情報収集は何を使用していますか?
(インスタ、twitter、FACEBOOK、ネット、雑誌、テレビなど)

情報収集はテレビとインスタです。

―これだけは人に負けない事ってありますか?

お客様やスタッフ、自分に正直でいることです。

―営業後は何をしていますか?

スタッフの髪を切ったりすることもありますが、1歳になったばかりの息子がいるので帰って一緒にお風呂に入ります。
営業開始時刻が遅いので、朝ランニングをしたり趣味のフットサルのリフティングの練習をしたりしてから出社します。

―向原さんの今後の目標は?

もっと雑誌などメディアに露出してたくさんの方々にお店を知って頂いて、この人に髪を切って欲しいと思ってもらえるようになりたいです。

―最後に読者へメッセージをお願いします。

若い人たちに理容師という職業を知ってもらい、皆さんのようなかっこいい理容師が沢山いることをより広めて行きたいですね。

 

INFORMATION

メンズオンリーサロン創
住所:〒190-0012 東京都立川市曙町2-12-13
電話:042-525-7772
営業時間:10時~21時
定休日:月曜日

WEB https://peppys.jp/sou/
FACEBOOK https://www.facebook.com/menssalonsou/